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多事奏論

姫路出身、長岡在住のフルート・篠笛奏者によるblog。フルート・篠笛教室もやってます。お気軽にお問い合わせください。ブログ内の画像はクリックすると拡大版が見られます♪

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篠笛と能管と田楽笛 その2

9時間経過。第二話(笑)。


何となくオチの付いたような話ではありましたが、まだ問題はあります。
今日お電話でお伺いしたところ、蘭情さんが仰いました。
田楽笛は大甲が出にくい、大甲を吹く必要があるなら太めの篠笛を工夫する感じでどうか、と。

えっ。篠笛が太くなったら田楽笛になる!? 勿論、厳密には違うでしょうが。代用できるという意味で。
確かに、田楽の現場に行くと、太い篠笛のようなのがあります。見た目能管から遠い。ああいうことか。
管が太く、唄口も大きいので、音色も太くなります。


さぁ、区別がだんだん付かなくなってきました。
と言って、分けたいわけでも無いのです、笛吹きなので、吹いて納得出来れば良いです。このシーンでこの音が欲しい、と思えば、笛をチョイスして、その音が出せれば良い。

そもそも、ネット上であれはどうとかこれはどうとか言って、頭デッカチな情報を仕入れてる人、あまり共感出来ませんし。フルートやってる人に多いですが、そうやって薀蓄垂れて最高だとする楽器をその人が吹いたとして、私がその人のと違うのを吹いたとして、絶対私の音のほうが良いですもん。そういうとき、相手は絶対プロでは無いから。プロの人は四の五の言わないで、それぞれの笛の長所を生かして吹かれていますね。
自分なりのこだわりはあるでしょうが。

楽器はとにかく吹いてみないと分からないので、ベターや好みはあっても、万人にとってのベストというのは薀蓄だけでは決められないものだと思いますので、こういう考え方は私には馴染みません。
※勉強熱心でいろいろ調べているのは良いことです、私がどうかと思うのは、実際に自分が吹いてもないのにアレコレ薀蓄で優劣付ける姿勢です。


また。
古来より、日本人はソフトをハードに合わせる名人でありました。
飛行機の操縦室が窮屈なら、体を操縦室に合わせろ!
という冗談かなんなのか分からない話もありますよね。あながち冗談じゃないみたいなんですが……。

欧米は逆です。
リコーダーでも、合奏時に音が小さい、演奏しにくいからと、キーが増えてフルートになったり。木じゃダメだと金属になり、銀から金、果てはプラチナが出て、いやプラチナは重くて大変だから良くない、でも良いには違いないから何とか使おう、なんて今ココ(笑)。

日本の楽器は、吹きにくい、頑張れ、以上。でしょ。シンプル・イズ・ベストでここまで来てしまった。
笛にノドを入れた。なんかいい音がする。でも音程が取れない。でも吹け!
で、見事に形を作ってしまったわけでしょ。恐ろしい根性です。
しかし音楽の世界にも黒船襲来なわけで、全国でピッチを揃えて篠笛という名称が付き、西洋音階に合わせた唄もの(改良型)が生み出され、意欲的な演奏者や笛師が試行錯誤して更に改善したり考案したりしているところ。
私たちは、このタブーを作らず活発に動き出した時期に出会えたことに感謝しなければ……と思うのですが。


だから、なんだか境界がよく分からなくなってるのも、事実だとは思うんですよね。
改良のほか、間を埋める楽器も登場しているので。
もちろん別ものなんですが、別だから、と吹いても聴いてる人が聴き分けてくれるものでもなし。。。(結局そこ?)
伝統を大事にするのは大切ですが、そういう場以外で逸脱しても良いのではと。
現にいま、和楽器を使ってる団体でも演奏されてるのは現代音楽だったりしますよね。あれと同じ。

温故知新。
いまほどこの言葉の生きる時代って、無いのではないでしょうか。


続く(笑)

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