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多事奏論

姫路出身、長岡在住のフルート・篠笛奏者によるblog。フルート・篠笛教室もやってます。お気軽にお問い合わせください。ブログ内の画像はクリックすると拡大版が見られます♪

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「楽譜を読む」の誤解

時々耳にする話。
「楽譜どおり、p(ピアノ)もf(フォルテ)も表現したのに、録音を聴いたら良くなかった」

強弱が付けられて、指定通りに演奏できる技量があることは、まず素晴らしいことですよね。

一方、「専門に音楽を勉強している」という言葉は聞いたことがあるでしょうか?
「楽器を練習する」でなく「音楽を勉強する」。
音楽の勉強というのは想像がつかないかもしれません。
その内容のひとつで、見ればわかるものをひとつ示したいと思います。

この楽譜を見ながら、次の動画を冒頭だけ視聴してみてください。
(かの有名なJ.ゴールウェイ先生^^)

20210402



さて。この演奏は「楽譜どおり」でしょうか?
例えば音の長さ、どうでしょうか?
 :
 :
 :
 :
 :
答えは、「YES」です(まぁ多少のオリジナリティは入ります)。
別に名演奏家だからこうなる、というわけではないです。私が吹いてもこんな感じです(笑)。
楽譜には、「言わずもがな」なことは書いていません。

小説を朗読することを考えてみてください。声を小さく、ゆっくり、などという指定は書いてありませんが、プロの朗読家さんはその小説が最も活かされるよう、伝わるように読みます。機械の自動読み上げとは全く違うということは、誰にでも分かります。
なのになぜ、「楽譜を読む」ということになると、機械の自動演奏みたいになってしまう人が多いのでしょうか。

モーツァルトの譜面を見ると、プロへ渡した譜面と、愛好家から頼まれた譜面では、強弱を書いてある数が違ったりします。書かなくても勝手にフォルテになるところには、本来は書かなくていい。自然にフォルテになるけど、特別に音を小さくしてほしいところにだけピアノと書けばいいからです。

上の譜面での「音の長さ」で言えば、その時代のスタイルを知り、和音の機能を知るなど、知っていることが増えると、どこにフレーズの切れ目があるかが見えてきます。メトロノームをカチカチ言わせっぱなし、それに合わせっぱなしの演奏にはならないのです。

「楽譜を読む」というのは、こういうことで、「楽譜をどれだけ読み込めるか」は、このように勉強の積み重ねが反映されるものです。
まぁ、歌謡曲などはずっとメトロノームをカチカチで大丈夫ですが、他のジャンルで勉強した人は、そのカラーを出すことが出来ますね。「千本桜」などはそう。いろんな方が歌っていますが、カラーが違います。重みを置いている音が違ったりします。
果たして、楽器を演奏する人は、そこまで考えて歌謡曲を演奏しているか?

残念ながら、歌詞が無い分、表現としてはマイナスになってしまっている人が多いですよね。
知っている曲を聴くときは、聴く人が頭の中で原曲を補うから、そこそこ演奏できればウケるんです。悪い言い方をすれば。
コンサート後のお客様アンケートで、「知っている曲だから良かった」「好きな曲だから良かった」「リズムが良くて楽しかった」と書かれることは、演奏家としてはどうなんだろう?
そう気付いてから、子ども向けのコンサートでも皆が知らないであろう曲を演奏するし、篠笛に至っては、会場のほとんどの人が知らないであろう曲しか演奏しません! でも、そのほうが終了後に喜んで頂ける。



音楽なんて、楽しければいいと思うんです。基本的に。
楽器が吹けると、さらに楽しい。

だったら、楽器を吹ける人の中から、もう一歩進んでくれる人が、もっとたくさん現れたらいいなと思います。
「楽譜を読む」に関しても、「そういうことなのか」と知っているのと知らないのとでは、心構えが全然違いますよね。これが「勉強する」ということです。
「何を知らないのかが、分からない」時は、プロに習ってみてください。
知らないことを知ること、これが本来の「学び」であり、人間らしい喜びであると思います。
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