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多事奏論

姫路出身、長岡在住のフルート・篠笛奏者によるblog。フルート・篠笛教室もやってます。お気軽にお問い合わせください。ブログ内の画像はクリックすると拡大版が見られます♪

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「その楽器らしい」ということ

フルーティストと篠笛奏者を兼任しています。
フルートならディティユ―やプロコフィエフも演奏するし、篠笛ではメインは鯉沼師の曲ですが、有馬礼子さんの「流遷」など現代曲も演奏します。

ディティユ―はこんな感じ。
パユ様の演奏をお借りします(>人<)


つまり、どちらが専門ということもなく、どちらもガチなわけです。ちょっとしたホールならマイクは必要なく、フルートも篠笛も響かせることができます。
常に和楽器と洋楽器を行き来していると、同じ「横に構える楽器」であるが故に、違いを鮮明に感じるようになってきました。
フレージングが違うのはもちろんですが、口の筋肉の使い方、息の配分がまるで違います。音の形も違うから、音の出し方は全く違う。
篠笛の曲をフルートのように奏すると、全く篠笛の曲になりません。
フルートの曲を篠笛の吹き方で吹くと、音が伸びていきません。
篠笛の奏法の習得は易しいのですが、現代の日本人にとって本格的に表現することはかなり難しく、こちらに時間が掛かります。
フルートの奏法の完全な習得にはかなり時間がかかります。表現については、きちんと学べれば身に付きますが、少々意識を変える必要があります。ここは多くの方に誤解があるように思います。

上記のことから、音色を比較するとこんな感じ。
フルートは、「完全に鳴らせていない状態」は素人の耳にも明確に分かります。2人の奏者が居て、どちらかが鳴っていなければ明らかです。
篠笛は、鳴らせていないようでも「枯れてていい感じ」「やさしくて好み」という状態が存在します。

こうなると、「篠笛はどんな音色でもいい」という感じになりますね。たぶん、いいんだと思います。懐の広い楽器です。
逆に言えば、良い音を知らないと、そこそこの音色で満足してしまうという危険もあります。
それでもいいと私は思っています。

だけど、フルートの吹き方で篠笛を吹いて、指をすごく動かしてすごい曲を吹いたとして……それでいいのか? と訊かれれば、いいんだけど(いいんかい)……
私は思うのだけど、
それ、篠笛で吹く意味、ある?
篠笛で吹きたいから吹く、それでじゅうぶんなのですが。
篠笛を手にしたからには、篠笛にしかできない「篠笛らしい」音色と奏法で吹かないと、もったいない気がします。
私は、ですよ。

極端な話、篠笛で「熊蜂の飛行」を吹いても、曲芸にしか見えないんです(実際に吹きました)。
曲芸したって、いいんですよ。観たい人もいるから。
私は、もういいかなぁ……。そこら辺の篠笛奏者に比べたら相当指は自由になるけれど、熊蜂するなら、フルートで吹くもん。
フルートで吹いたほうが、この曲を完全に吹ける。篠笛でやるなら、少々のアレンジが必要だと思う。笛の良さが活きるアレンジ。


基本的には、好きな楽器を好きなように演奏して欲しいと思っています。
その上で、その楽器を単なる趣味を超えて練習・勉強している人には、ちゃんとその楽器らしい演奏も知って、その楽器にしかできないことを習得して欲しい。
そこを経てきてから前やった曲に戻ると、新しい世界が見えます。
他の楽器の真似じゃない、その楽器にしか出来ない演奏が見えてくる。保証しますよ。
笛に限らず、弦楽器でもそうだと思います。他の楽器でいいなら、その楽器で演奏する意味、ある? その楽器がすごく好きなだけでじゅうぶんだけど、そこで満足してしまうのってすごく勿体ない。本当に大好きなら、ちゃんと学んで欲しいのです。


好きに吹けばいいのに、なんで学ぶことが必要か? という動機でした。
理由についてはまた後日☆
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