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多事奏論

姫路出身、長岡在住のフルート・篠笛奏者によるblog。フルート・篠笛教室もやってます。お気軽にお問い合わせください。ブログ内の画像はクリックすると拡大版が見られます♪

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エアリード楽器のアンブシュア

スーパーへ行くと、おはぎがいっぱい!
そうか、お彼岸か……
暑さ寒さも彼岸まで、の言葉どおり、昼間まで涼しく過ごしやすくなってきました。とは言え、ここ数年間は気候が変なので、今週また暑くなるとの予報です。水分とって気を付けましょう!


さて、フルートのレッスン(習うほう)へ行ってきました。
身体の故障もあったので、篠笛も含めて2か月ぶりの受講です。
今日は冒頭30分ほどはおしゃべりしていましたかねー……いろいろ話したのですが、集束するテーマは結局ひとつです。アンブシュア。

音の大きさ、音色の良し悪し、音程。
全てアンブシュアが大きな割合で関わってきます。
一般的に、唄口が大きく開いているほど、音が大きくなるけれど、荒れやすいです。
音をまとめようとして唄口を唇で塞ぎすぎると、今度は細い音になり、低音がうわずり高音がぶら下がる。
あえて悪い面を書きましたが。

師匠は世間様に内吹きだと思われることが多いようです。
音がまとまっていてきれいなので、内吹きの印象があるのでしょう。
でも師匠、外側派。
ある程度は外へ出さないと、音量も出ないし、音が縮こまります。「1ミリ外」と、昔はよくレッスンで言われました。管尻のほうからも音は出ますが、多くは頭部管のこの唄口からです。
(いま私がレッスンでそう言うのは、私がそういう吹き方で、そのほうが良い音を出せる確信があるからです。)
ただ外にするだけでなくて、吹き方がちゃんとありますが、目指すだけのリターンはたくさんあります。
高音がぶら下がらない。
音量が出る=ダイナミクスが大きい。
多少の唇のコンディションに左右されない。

同じ楽器の演奏者がたくさんいる場合、音が小さいと損します。
いろんな楽器が集まっている場合、音が小さければ聴こえません。
フルートは木管楽器の中でも音は小さいし、金管・ヴァイオリンに比べても音が小さい。響かせて対抗するしかないのです。このプラスする「響き」こそが「音が大きい」ということであり、唄口のほうから響いてくるものです。


外側、内側にするのが絶対、ということはありません。唇や歯の状態にもよるからです。
でも、自分の吹き方をどうこうすることなく、畑から抜いてきた泥だらけの大根そのままの状態で、これが合うや合わないや、決めるのは勿体ないと思います。アンブシュアを実験するときは、単に唄口を内側にしたり外側にしたりするのではなく、口の中の様子もいろいろと変えていくべきです。
まぁ、きちんとした指導者につくと一番ラクということになりますね……。


そこでふと思いましたが、フルートは唄口を向こうやこちらに回すことができます。
篠笛は、唄口と一緒に指孔まで回ってしまいます。
最適な唄口を探すといっても、構え方の都合で、限界があります。
とは言え、向こう5ミリこっち5ミリくらいは回せます。唇のどこにあてるか=唄口とアパチュアの距離も関係します。

で、最近はピアノの音程に合わせて吹く方が多いため、自分の唇や歯の形を考慮せず、まるで「飛行機に身体を合わせろ」という戦中の日本魂のようになっているように思います。
本来は、個人個人の口に合わせて、いちばん響きの出る場所で構えるもの。師匠と音程が違おうが、お囃子で全員微妙に違おうが、良いものだったのです。ピアノになんて絶対に合わない。
つまり、自分の口の形で、音程なんて放っておいて、いちばん響くところを探せばいいのです。
やっているうちに、音程を整える筋肉が言うことを聞くようになってくれます。こうして練習するほうが、良い音がする。初心者のうちから機体に身体を押し込める練習をしていると、身体が合う人はいいけれど、そうでない人は、自分の音色というものが出せないし、音量もそれ以上出ない。


大きな音が美しく出せるということは、口まわりの筋肉が使えるようになったということだから、小さな音も出せるようになっています。ダイナミクスが大きい演奏は、聴いていて楽しいし、何より自分が気持ちいい。
かつての生徒さんが、仰っていたことがありました。
「この部分が、大声で思いっきり叫んでいるような感覚で、すっきりする」。
なんの曲だったかな、バッハだったかな?
大人はなかなか大声を出すことが無いので、ストレス解消にも良いです!

| ♪楽器・演奏・教室 | 19:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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