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多事奏論

姫路出身、長岡在住のフルート・篠笛奏者によるblog。フルート・篠笛教室もやってます。お気軽にお問い合わせください。ブログ内の画像はクリックすると拡大版が見られます♪

2018年04月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年06月

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フルートで使用する譜面について。

モーツァルト/フルートコンチェルト第1番(K.313)

音楽を専門に勉強していると、最初にぶち当たる壁があります。
「どの出版社の楽譜を使うか?」

趣味で楽しまれている方にはなかなか縁のない話ですが、版を選ぶ意味が分からないと適当に買ってしまい、後々ためにならないので、特に学生のために一例を書いてみます。画像は全て、クリックで拡大されますので、実際に見てみてください。

取り上げるのは、W.A.Mozart の Concerto No.1 K.313(285c) のフルート&ピアノ編曲版。
コンチェルト(協奏曲)なので、本来の楽譜は「フルート&オーケストラ」なのですが、大抵は現実的では無いので、フルート&ピアノの編曲版がメジャーです。

オーケストラ全てをピアノで受け持つわけですから、どの部分をカットしてどこを拾うのか、というだけで、かなり伴奏譜が違ってきます。これは当然ですね。

mozart-c1-score
右はBreitkopf 左がNovello

どちらが正しいというわけでは無いので、ピアニストの技量や好みで決めて良いと思います。
しかし当然、譜面上に間違いがあります。これを適宜修正しながら演奏しなければなりません。

では、どちらが正しいか、という視点からの話を、これからしてみましょう。

譜面において正しさとは「作曲者が書いたものにどれだけ近いか」に尽きます。
勿論、作曲者が書き間違うことも稀にはあると思いますが、「譜面が汚すぎて写譜が正確に出来なかった」ということもありますし、「写譜を間違う」ということもあります。
出版された楽譜をまた写譜して新たに出版する、という伝言ゲームのようなやり方の中で、間違ったものが普及していくこともあります。監修者が付け足したアーティキュレーションや解釈が、「正しいもの」として他の楽譜に反映されることもあります。

それを頭に入れて……
私の手持ちの楽譜の中から、3冊を用意し、第1楽章の60小節目を見てみます。

mozart-c1-no1 mozart-c1-no2

「♯」を書きこんであるところ。
これは「♯」が抜けていました。
「直前の伴奏に倣って、おそらく♯を付けなかったんだと思う。でもこれは明らかに転調した後だから、♯が必要」。
師匠が、「この音の前に少し空白があるでしょ。直前まで迷ったと思うんだよね」と仰っていました。確かに間隔が不自然!(笑)。


別の出版社のもの。
mozart-c1-b1 mozart-c1-b1

これはきちんと♯が付いています。
この楽譜は私が30年ほど前に買ったもので、いままた同じ出版社から新しいものが出ているようです。私が持っているこの楽譜は「旧モーツァルト全集」からの引用で、いま出ているものは「新モーツァルト全集」からの引用だろう、と前述の師匠の言。更に、新版にはファクシミリ(自筆譜)が付いているそうです。師匠、好きだからなぁファクシミリ付き。「見てると楽しい。吹きにくいけど」って、いつも仰います。

私が持っているこの曲の楽譜の中では、この版がいちばん信用できるので、これを使っています。
ただ、注意すべきは、オーケストラの中のフルートの音もソロフルートのパート譜に書いてあるので、これは吹かないほうがいいかな、というところ。 ※「Tutti」と書いているところ


さらに別の出版社。
mozart-c1-in1 mozart-c1-in2

今回比較している60小節目の♯は、きちんと付いています。
逆に、その1段上、♯が多い。今回はここは比較するつもりが無いので、放っておきます。たまたま写りこんだだけ(笑)。



以上のように、3社比べるだけで違うのです。
ここにはありませんが、というか、私が好きでは無いので持っていませんが、ベーレンライターはこのようなミスが多い。
何故か正しいと思ってそれ使ってる人が多いんだけど、と時々耳にします。
私がベーレンを使わなくなったのはテレマンのファンタジーがきっかけでした、と言うと、「それ最悪^^」って言われます~(笑)。


間違った楽譜を使っていると、勉強した人からは「吹き間違い? 解釈がおかしい?」とマイナスの印象を持たれてしまいます。例えばコンクールで「ミス」と取られるのは避けたい。将来、プロとして演奏したときに、「あの人は解釈がおかしい。勉強してない」「生徒に間違いを教えている」と言われることに、耐えられますか?

勿論、プロだって完璧では無いのです。が、何もしないで間違いを振り撒くのと、そこまで勉強が及んでいなかったために間違ってしまうのとでは、全然違いますから。膨大な数の曲を演奏していく中では、音符の数は天文学的な数になってしまうので、勉強し尽くせる筈はないわけで……勉強できていないところは「間違ってるかもしれない」と謙虚に、いつまでも勉強し続けていくことが、音楽家の姿勢なのではないかと思うのです。

| ♪楽器・演奏・教室 | 12:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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スプリングコンサート@栃尾

アンサンブルサンライズのメンバーとして、スプリングコンサートに出演してきました。会場は、道の駅・R290とちおに併設されている産業交流センターおりなす、1階のてまりホール。

今年はゲストにお箏の先生をお迎えし、スペシャルステージの和楽器演奏も♪
箏独奏で「さくら」、箏とヴァイオリンと篠笛で「北海民謡調」(宮城道雄/作曲)。

私は両親世代のメンバーに囲まれて、ほっこりと演奏しました。
恐るべきことに皆さん、60~70歳にして年々上達されてる!! 
しかも、お人柄が音色や演奏に出ています。お手伝いさせて頂くようになって、さて私は? と思うようになりました。
「練習すれば巧くなるってことに年齢の上限は無い」とフルートの堀井恵先生が仰っていましたが、それを痛感しました。また、篠笛の狩野嘉宏先生が「最後は人柄です」と仰っていたことも、この頃は折に触れて思い出します。

このアンサンブルのメンバーに加えていただいて1年。
演奏会を重ねてきて、だんだんとアンサンブルもまとまってきました。
私は、ヴァイオリン、チェロ、ピアノがもっと引き立つようなサポートをしたい。皆さんのまろやかな演奏に、ピリっとコショウを効かせる役目でありたい。
……と役割を自覚してはいるのですが(笑)。




このスプリングコンサートは、午前と午後の2回公演になっていまして、主催者の方から昼食までご用意していただきました。お刺身まで入っている豪華弁当♪♪

20180503

篠笛教室のS島さんから差し入れも頂きました!
昼食のあと、皆で頂きました。ありがとうございました♪

20180503-2


さて、この演奏会でいちばん凄いなと思ったのは、お客様のことでした。
新潟のお客さまって、皆さんお優しいんですよ! 終演後、知り合いを見つけたので出入り口で待ってたら、良かったよ、ありがとう、また聴かせてね、と、通って行く皆さんが言ってくださるんです。
「今年は篠笛ソロが聴けなくて残念」「オカリナの音色がとても澄んでいて、あったかくて良かったわ」

こちらこそ、聴きに来てくださってありがとうございました!

そういう皆さまに支えられて、この演奏会が定着してきています♪
いい一日でした!

さて、これから三連休! 仕事するぞ!(なんで)

| ♪楽器・演奏・教室 | 11:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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明日は栃尾で

明日5月3日(木・祝)、栃尾の産業交流センターおりなす 1階・てまりホールにて、

地元の演奏者による 第3回スプリングコンサート
演奏;アンサンブルサンライズ

が開催されます♪ というか、出演いたします♪
私はフルートメインで参加しますが、1曲だけ篠笛で合奏に加わります。また、時間があれば、シークレットでオカリナを1曲。
進行次第では吹きませんが(笑)、最近はオカリナ奏者としての私は一般コンサートには出ていませんので、かなりレアで~す。

午前の部 11:00~(約60分)
午後の部 14:00~(約60分)

の2回公演。
あいにくのお天気のようですが、もし、お出掛けや田植えがキャンセルになりましたら、ぜひ聴きに来てください。
帰りに名物あぶらげを食してもよし!
(私はお昼に食べようかと思ってます)

同時開催として館内に展示されている「草木染め・手織り作品」も、とても素敵です。ホールへ練習に伺った折り、通りすがりに展示が見えましたが、バッグなどもあって、興味深かったです。


【主な曲目】
・日本の四季の歌メドレー(春の歌・夏は来ぬ ほか)
・クラシック名曲メドレー(木星・シューベルトの「野ばら」 ほか)
・さくらさくら
・アメイジンググレイス
・サン・サーンの「白鳥
・タンゴ「ラ・クンバルシータ」
・「君の名は」今・昔 ほか

<同時開催>
☆花いっぱいコンクール作品展 4月21日(土)~5月5日(土祝)
☆草木染め・手織り作品展示即売会 4月28日(土)~5月5日(土祝)


20180416

詳しくはコチラから→ まいぷれながおか

■  □  ■  □  ■

この「産業交流センターおりなす てまりホール」というのは、「道の駅R290とちお」と同じ敷地にあります。
昨年はじめてこのコンサートにゲストとしてお邪魔したとき、初めて訪れました。この季節、バイクの人も多いところですね! いい感じの山道を通って、あぶらげ(全国的には「とちおのジャンボ油揚げ、っていうと分かりやすいかも)食べてひと休みするのに丁度良いところです。景色もゆったりしてて。

確か、ここが開設されたとき、雑誌PRに携わっていたのです、私。
かなり大昔すぎて、具体的に何を書いたのかは忘れましたが、大きめのページで紹介もしましたし、毎月毎月のイベント案内も担当していました。
行ったことは無いけど、たたみ1畳ぶんのジャンボあぶらげを揚げるイベントとか、よく覚えています。

去年はじめて行ってみて、「ここか~」と、なかなか感慨深いものがありました。
そして今年。
御縁があって、このR290とちおの前が、週に1度の通勤路となっています! 
ここを通って、これまた地名だけはずっと知っているけど行ったことが無かった入広瀬へ向かっています。

| 徒然 | 19:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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