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多事奏論

姫路出身、長岡在住のフルート・篠笛奏者によるblog。フルート・篠笛教室もやってます。お気軽にお問い合わせください。ブログ内の画像はクリックすると拡大版が見られます♪

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複雑な音形でも簡単に吹くコツ

少し複雑に見える音形を、スラスラと吹く方法を解説します!

まず、当たり前のことを書きますが、練習は欠かせません。
だけど、やれば良いという根性論でできる人ばかりではありませんよね。
部活や勉強、仕事などで時間が取れないこともあります。
私は「何度やってもつっかえる」時間がもったいないと思います。
練習は、「間違えない」。これがひとつめのコツ!(えっ)

けっして間違えないようにゆっくり練習して、脳に「間違い」を記憶させない。

何日もゆっくりとだけ練習して、1週間後くらいにいきなり速くやってみる。
速く吹いたことないのに、できるんですよね、これが~~~。
この体験に慣れたら、速くしてみるのは3日後でも翌日でもいいです、自分のペースが掴めたら、期間を短くしましょう。

……という前置きは置いといて(前置きだった)。
今日解説するのは、「いきなりスラスラ吹く」方法。

次の楽譜で実践していきましょう。どうぞ、吹いてみてください。
フルートか、アルトリコーダーあたりで演奏可能です。

20220214

吹けましたでしょうか?
けっこう忙しいですよね。指と脳の連絡が。
どのように知覚していたか、分かりますか?
日本人に多いのは、こんな感じでしょうか?

20220214-2

ドソミソ、レソミソ。

読み方を変えてみましょう。

20220214-4

ドは吹いておいて、ソ→ミ、ソ→レ、ソ→ミ、ソ→レ……
ソを起点にして音をミレミレと動かしていく。
少しラクになった気がするのではないでしょうか。
レミファソは音階。ミへ向かうということにして、レミファソミと繋いで知覚してみましょう。
2小節目も同じように読み解いてみてください。

もう1パターン。

20220214-3

これは「必ずソへ向かう」パターンとして読んでいます。
2小節目はファへ向かっていますが、ちょっと苦しいかも……。



このように、複雑な音型は「まず読む」。そして、「パターンを見破る」。
数学の公式のようなもので、たくさんの楽譜を見ればパターンをどんどん覚えていくことができます。
先生に習えば効率よく覚えていくことができるでしょう。
そして、パッと見て難しそうなものでも、たじろがなくなる。
「読譜力が付いた」という状態ですね。


さて、補足ですが……
上の譜例、他にも読み方はあると思います。
「ド」「ソミソ」、「レ」「ソミソ」と、「ソミソ」をまとめるパターン。「ソドソ」「ファシファ」は簡単では無いので、私的には却下ですが。
それから、最後の例で「ドソ」「ミソ」と区切ったもの、これもリズムが重たい気がするのと、2小節目が苦しいので、実は却下。
だけど、脳の得意不得意は人それぞれだから、「私はしっくりくる!」と思うなら、それで読んでみてOKだと思います。
上行は上行、下行は下行でまとめるなど、慣れないうちはいろいろと試してみてください☆




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| ♯レッスンのつぼ | 16:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「楽譜を読む」の誤解

時々耳にする話。
「楽譜どおり、p(ピアノ)もf(フォルテ)も表現したのに、録音を聴いたら良くなかった」

強弱が付けられて、指定通りに演奏できる技量があることは、まず素晴らしいことですよね。

一方、「専門に音楽を勉強している」という言葉は聞いたことがあるでしょうか?
「楽器を練習する」でなく「音楽を勉強する」。
音楽の勉強というのは想像がつかないかもしれません。
その内容のひとつで、見ればわかるものをひとつ示したいと思います。

この楽譜を見ながら、次の動画を冒頭だけ視聴してみてください。
(かの有名なJ.ゴールウェイ先生^^)

20210402



さて。この演奏は「楽譜どおり」でしょうか?
例えば音の長さ、どうでしょうか?
 :
 :
 :
 :
 :
答えは、「YES」です(まぁ多少のオリジナリティは入ります)。
別に名演奏家だからこうなる、というわけではないです。私が吹いてもこんな感じです(笑)。
楽譜には、「言わずもがな」なことは書いていません。

小説を朗読することを考えてみてください。声を小さく、ゆっくり、などという指定は書いてありませんが、プロの朗読家さんはその小説が最も活かされるよう、伝わるように読みます。機械の自動読み上げとは全く違うということは、誰にでも分かります。
なのになぜ、「楽譜を読む」ということになると、機械の自動演奏みたいになってしまう人が多いのでしょうか。

モーツァルトの譜面を見ると、プロへ渡した譜面と、愛好家から頼まれた譜面では、強弱を書いてある数が違ったりします。書かなくても勝手にフォルテになるところには、本来は書かなくていい。自然にフォルテになるけど、特別に音を小さくしてほしいところにだけピアノと書けばいいからです。

上の譜面での「音の長さ」で言えば、その時代のスタイルを知り、和音の機能を知るなど、知っていることが増えると、どこにフレーズの切れ目があるかが見えてきます。メトロノームをカチカチ言わせっぱなし、それに合わせっぱなしの演奏にはならないのです。

「楽譜を読む」というのは、こういうことで、「楽譜をどれだけ読み込めるか」は、このように勉強の積み重ねが反映されるものです。
まぁ、歌謡曲などはずっとメトロノームをカチカチで大丈夫ですが、他のジャンルで勉強した人は、そのカラーを出すことが出来ますね。「千本桜」などはそう。いろんな方が歌っていますが、カラーが違います。重みを置いている音が違ったりします。
果たして、楽器を演奏する人は、そこまで考えて歌謡曲を演奏しているか?

残念ながら、歌詞が無い分、表現としてはマイナスになってしまっている人が多いですよね。
知っている曲を聴くときは、聴く人が頭の中で原曲を補うから、そこそこ演奏できればウケるんです。悪い言い方をすれば。
コンサート後のお客様アンケートで、「知っている曲だから良かった」「好きな曲だから良かった」「リズムが良くて楽しかった」と書かれることは、演奏家としてはどうなんだろう?
そう気付いてから、子ども向けのコンサートでも皆が知らないであろう曲を演奏するし、篠笛に至っては、会場のほとんどの人が知らないであろう曲しか演奏しません! でも、そのほうが終了後に喜んで頂ける。



音楽なんて、楽しければいいと思うんです。基本的に。
楽器が吹けると、さらに楽しい。

だったら、楽器を吹ける人の中から、もう一歩進んでくれる人が、もっとたくさん現れたらいいなと思います。
「楽譜を読む」に関しても、「そういうことなのか」と知っているのと知らないのとでは、心構えが全然違いますよね。これが「勉強する」ということです。
「何を知らないのかが、分からない」時は、プロに習ってみてください。
知らないことを知ること、これが本来の「学び」であり、人間らしい喜びであると思います。

| ♯レッスンのつぼ | 13:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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闇雲な練習は時間のムダ!

特に大人は、闇雲に練習することは「時間の無駄」になりがちです。
運動分野で、ただ腹筋をする、スクワットをする、ということは現在あまり評価されていません。楽器の練習も身体を使うので、同じことです。
「無駄こそ趣味の醍醐味」だけれども、「苦しむのが特に好き」ということでなければ、同じ時間を使うなら前進していくほうがいいと私は思います。知らないことはまだまだあって、人生には限りがある。知らないことをひとつでも多く知れば、楽しみがさらに深まると分かっているのに。
あ、闇雲な練習が必要なこともあります。そういった例外は今回は置いておきます。大人のかたに有効な練習、としておきます。


そもそも「闇雲な練習」とはどういう練習でしょうか。

【1】運指が難しいところを何度もさらう
【2】苦手な音(最高音域や最低音域)をひたすら鳴らす
【3】きれいに聴こえないから、きれいに聴こえるように何度もやり直す

多くの人はこれらのことを「練習している」と言うけれども、全部「時間が勿体ない練習=闇雲な練習」です。

下の Read More(続きを読む) に、解説を載せました。興味あるかたはお読みください。




私が「時間の無駄」と厳しいことをいうのには、理由があります。私自身、練習時間が取れないからです。
レッスンでも、薬剤師さん、看護師さん、専門家さんなど、時間が取れない方をたくさん教えてきました。
「練習時間が少ないと、進度が遅くて、好きな曲になかなかたどり着けない」というのは間違っています。
1日トータル1時間練習するなら、いちどに1時間でなく、30分を2回にするのも上達が早いです。試してみてください。

なお。
練習しなくてもよい、ということではありません(笑)。
練習して、演奏できるようになるという過程こそ、楽しいのです。
そして、なんだかんだ言って、練習は裏切りません。
やってるうちに間違ったフォームや吹き方が身体にしみついてしまうことがあるだけです。身体にしみついた悪い癖は取りにくいのですよね~……(><)
また、やらないと身に付かないこともあります。唇まわりの筋肉です。
筋トレを考えたら分かりますよね。
やったほうがいいこと、しないほうがいいこと、考えるのも楽しみのうち。これなら音を出せない夜中でも、演奏に関わることができますね。

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| ♯レッスンのつぼ | 16:43 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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冬場の演奏

寒くなると風邪を引いたりして、練習できないことも増えるかもしれません。
プロなら無理して吹きますが、レッスン生の皆さんは日常生活もありますので、無理せず、治すのが先決です!

ですが、それでもフルートや篠笛が吹きたい! コンクール前でそれどころではない! というお話を聞きましたので、ちょっとアドバイス(?)など。


【ケース1】喉の不調

風邪でなくても、冬はエアコンで空気が乾燥することが多いです。
息を吸うと喉がヒリヒリするときは、息の吸い方をチェックするチャンスでもあります。

「ア」の口で吸うと、喉に直接冷たい風が当たります。これはアウトです。
「オ」に近付けていくと、喉には直接冷たい空気が当たりません。これを普段から心掛けていきますと、喉も開きますし、元気なときに咳き込んだりしません。


【ケース2】鼻詰まり

鼻が詰まって居るとき……風邪か花粉症のとき。
しかし、演奏時に鼻をどのくらい使っているか、チェックするチャンスです。
吸うことに関しては、この場合は諦めてください。息を吐くときのチェックだけが出来ます。

普段から、演奏時に鼻から空気が漏れる人は結構多いです。
鼻詰まりの時に音を出しにくい、または、音を出しながら片手を空けて鼻を摘むと違和感がある場合は、普段から演奏時に鼻から空気が漏れています。
もったいないので、鼻から出ないようにしましょう。

(再度の注意になりますが、鼻詰まり時に息を吸うのには違和感ありまくりです。これは諦めてください。)


【ケース3】頭痛・発熱・関節痛

服薬して寝てください。




【番外】予防について

笛吹きにとって鼻腔は大切。
特にフルートは、鼻腔を広げて響かせるようにしたいので、帰宅後にはうがいを欠かさず行いたいですし、人ごみに出掛ける時はマスクしておきたいです。

私の場合、鼻うがいがとても効果的でした。
鼻腔が痛かったり違和感があるとき、鼻うがいを一度やっておきますと、悪化しないで済んでます。はじめは痛くなりはじめた時にしていましたが、最近は敏感になったのか、帰宅して何となく違和感があることが増えたので、必ずするようにしています。
本当にお奨め!
自分で水に塩を入れるのが怖いから、市販の鼻うがいの液を買っています。
また、 鼻→口 へ出すのが怖いから、 片鼻→反対の鼻 だけです。これでも効果あります。




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| ♯レッスンのつぼ | 03:24 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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巧くなりたいならスケール練習を

意外と見落とされがちな練習メニュー、スケール(音階)。ロングトーンと並んで、軽視している人も多いのではないでしょうか。
5月と言えば、学校の吹奏楽部に入って新しく楽器を始める人も多い季節。新しく趣味としてはじめる人も多いでしょう。
でも、その毎日の練習が「ひたすら曲をさらうだけ」では、なかなか上達しません。趣味の人はそれでも良いと思います。けれども、これが部活であったり、音楽高校・音楽大学を目指す人であるなら、問題があります。

曲というのは、スケールが集合したもの。
日常的にスケールの練習をしている人としていない人とでは、譜読みの速度や指のまわり具合が違います。
そして、スケールは、ロングトーンで出した音の集合体でもあります。ロングトーンでそれぞれの音に相応しい息の量や出し方を掴んだら、それを繋げてスケールを行います。

コツは、ただ機械的に吹かないこと。
音楽的にスケールを進行させてください。
そして、それぞれの音の粒がそろっていること。ある音だけ鳴りが悪い、ということにならないように。
これらに気付くには、注意深く自分の音を聞くことが必要になります。
ただのスケール練習ひとつに、上達のための要素が3つも4つも詰まっているのです。



「スケールまで練習する時間が無い」という人が居ますが、時間が無いなら、曲をしないでスケールをやること。レベルに応じて、行う調の数を増やすこと。

私が吹奏楽部などを指導しに行ったとき、「巧いなあ」と思う子は、スケールも上手でした。
フルートの子じゃなかったのですが、いちど機会があってお母様とお話をしたところ、「家で聴こえてくるのは音階ばっかり。こんなんで曲が吹けるのか心配になるくらい」とのことでした。
納得。





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| ♯レッスンのつぼ | 17:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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